梯子の向こうの弟子

まみれて朝。
何か懐かしい夢を見ていた気がする。
体が重い。息を吸うたびに けだるさが全身にポンプされる。
心と体はひとつだ。どちらがダメになっても、ダメだ。
 
寿司を食べたのはこの日のことだった。
間違いを間違いと認めることで私は確かに優越している。
ただそこにあるもの
 
色んなものを諦めた一日。
色んなものを新しく受け入れた一日。
しかしそこには必ず過去があって、
自分が自分であると思える、何かがあって。
 
吹き抜ける風、そして私は風邪。
何もなつかしくはない。空気がそうさせたことが、良かった。
今日この場所は新しいすべてだった。
ただ間違いない「いま」「ここ」であった。
やまいのようにただようすべてが、
この体ひとつ使って関わる一連の出来事のゆらぎが、
私という歴史をつくるもっとも、確かな輪郭だった。
 
さあ、お帰り。
もう本当に疲れた。本当の本当に疲れた。
丸まって眠る

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