夜の幕開けに
小さな笛のねひとつ
夜の幕開けに
小さな君のこえひとつ
あーああ、使えない自転車押して、
あああ、信号をひとつ、ふたつこえて、
そういやあの日もこんなんだっけ、
やたらと雨だけふりつづいて、
誰かのにおいも声もけしてゆく、
夜の幕開けに
小さな笛のねひとつ、
まちのひかりとじこめて
ひからないプレゼントひとつ、
あーああ、痛いことを忘れるために
あーあー、また痛いことに手を出す君の
思い出す言葉の端だけじゃ
孤独も いいわけも
わからないことだけ
だんだん慣れてく不可思議に
甘い苦い きみのにおい 追いかけて
川をくだる
ぼくは立ってた、清水五条の交差点に、
きみを待ってた、なんの根拠もなしに、
あの日、あの時、あの気持ち、なんにも持たずに考えてた、
清水五条の交差点に
今日もまたあめはふる、
勘違い、遠回り、
うそと、誤解と、強がりと、
繰り返されて積もる長いよる
ぼくは立ってた、清水五条の交差点に、
きみを待ってた、なんの根拠もなしに、
あめはふって、あめはふって、あめはふって、あめはふって、
あめはふって また ぼくらの時間を塗り潰してった、
清水五条の交差点に
今日もまたあめがふる