眠るとゆうことは、その夜にたましいを委ねるということ。
寝床にからだを投げ出し、意識を手放し、
自分というすべてを操っていた力が、ぬけおちる。
それまでつかんでいた自分をうっちゃる。
そうして人は休息をえるのです。
そうしないと、えられんのです。
その寝床はその家のもんで、
その家はその街のもんで、
場所が違えば、空気が違う。
空気が違えば、においが違う。
名前が違えば、ことばが違う。
だから、暮すとゆうことは、
その場所に根をはることで、
その場所に寝をはることです。
そして、はっただけ、あなたのたましいに、
その空間を刻みつけてゆくということ。