キッチンに立っているのがいけなかった。
いのちを扱うだなんてもはや
雲の上の上のできごとや。
私の範疇じゃあない。考えられない。
ああああ。だめだ。こわい。
それは、いま。
たった、いま。
私が死ねば
いいのか、
わからない。誰にもわからない。
くるしい。かなしい。助けてほしい。
こわい。
生きてた
目が覚めたときに、
あれ、生きてるわあ、
って思った。
なーんだ。
なーんだ…
その日の朝は、あまりにまぶしくて美しかった。
ダンボール箱だらけの 引越し前の部屋で
最後のお昼ご飯を食べた。
外食もコンビニめしも
味が濃すぎて舌がびりびりする。
全然受け付けない。しょっぱすぎる。
お腹におさめたあと、全部吐き出して 水で洗い流したくなるような
辛いものは好きなんだけどな。
塩辛いものも、元々好きなはず。
食べるということに、以前ほど興味がわかなくなっている。
もともと美食にも全然興味がないのだけれど、
おいしいものは、私にとって、一人で楽しめるほど興味があるものじゃあないんだよなあ。
そうでなくとも、いろいろとね。
死んでるなあ
いけないなあ。
でもなんで?
どうして?
最後の選択
最後の洗濯終えて、家を出た。
働いたあと 夜は 狼煙とゆうバンドのデビューライブみに行った。
うん。
今夜は徹夜で荷造りだった。
明日、引越し。新居に荷物が移動します。
この場所で起こったこと、
片づけられないこと。
全部が溶け出して、にじみ出して、
何かが折れた。くずれた。
気が狂うかと思った。
このまま死んでしまおうかなんて
思った。
それをやり過ごせるかどうか、なんて、運なんだろう。
紙一重の、運だ。
うすっぺら一枚の違いで、
死ぬだろうし、生きるだろう。
誰かじゃない、きみがいい。
あー
こわい
ねたい
ねれない
こわい
ダッシュでにげたい
でも
どこへ
無恥なる幸福
幸せなやつらは、安全な場所からデリカシーのない言葉を平気で吐き逃げするからきらいやわー。
私もそのたちやな。
いかに人間、自分さえ幸せやったらいいかゆうことですかね。
私もそのたちです よ。
たまにそれを微塵も感じさせない人もいるんだけどね。
なんなんだろうな、あれは。
天使か何かかな。
うらやましー
CD買うた。とても緊張した。
初めて会うひとが、私の大切な漫画を持ってきた。
そんな感じで不思議やった。
大阪へ帰ってくるひと。
東京へ出て行くひと。
わたしは京都をはなれます。
あたまの中で鳴った おと
あれから一度も聴いてもないのに、
あたまの中で 鳴った おと
色んなライブに行った。
どんなやつもステージの上で、命を燃やして輝いているようやった。
合う合わないとか好みの問題は別として
どの音楽にも私は もんくは言えんかった。
ただただ うらやましかった
あれから。
ずっと守ってきたつもりのものを全部なくした。
生き方、行く末をなくした私に、音楽がずっと問いかけた。
色んな場所に行った。
色んな人に出会った。
嬉しいことも 悲しいことも起きた。起き続けた。
変わり続けるひとのなか。
走り続けるひとびとの渦。
圧倒されて、うずもれる私がいて、
それを悔しいと思うのを
ずっとずっとこらえた。
ロックはもとから俺ん中にある、と言うたひとがいた。
朽ちるまで続けてみようと思う、と言うたひとがいた。
それぞれ命の燃やし方ってのがあると思う、燃やして生きてゆかねばならん、と言うたひとがいた。
楽しい瞬間なんてなかなか無い、ずっと苦しい、やめたろかと何度も思う、と言うたひとがいた。
楽しい以外、なんもねえ、バンドやらずにお前に自我が保てるのか?と言うたひとがいた。
ずっとバンドをやりたい、これからバンドをやることだけ考えているんです。と言うたひとがいた。
あれから。
目の前を走りだした人を、
止める理由なんてどこにもない。
ただ、私は呆然とした。
変わっていくもの。
変わっていくひと。
目の前でそれを見せつけられた。
本気で頭うたれた。
その時に、ふと、目の前で演奏していたバンドの音が、
まったく、かき消えた。
耳になにも入らなかった。
私の頭の中が一瞬、真空の、まっくろになって、
そのあとに流れたのは、
思い出したくもないのに、
頭のなか、何度も鳴り響いた、うた。
それで、気づいた。
自分は、生きたことなんか、なかったです。
生きたつもりで いてました。
おれはこれをやってみいな、生きたとはいえへんのやなあ。
大切なものは悲しいほど脆い 失えばなんだって美しい
この家を引っ越すまであと3日か4日というかんじ。
全般まったく片付いとらんけど。
ものが少しダンボール箱の中につめられ、広くなった部屋の真ん中に座り、
ここで起こったいろいろなことについて
少しだけ、考える。
そしてこれから先の一年。
それについて考える。
ゆらぎの多い自分のことだ、三日後に同じことが同じ気持ちで言えるなんて奇跡じゃないのかってぐらい、揺れていて、ぶれている。
一年。
過ぎてしまえば短い季節だというのはわかっている。
それでも、その積み重ねが、いま、ここ、なのだとしたら。
いずれにせよ、あけてみなわからない。
何もせんかもしれんし、しても途中で諦めたり、別の道で納得したり、説得されたり。
するかもしらん。
この安全な場所から、
死ぬかもしれんでも、致命的に傷つくかもしれんでも、
戦いに出ねばならんのか。
そして出ることは、ただの始まりだ。
苦しくてもしんどくても、
戦い続けねばならんのか。
いま持ってるものを、せっかく手に入れてきたものを、
すべて失うかもしれんでも、
それでも新しい場所へ向かわねばならんのか。
なんでだよ!
なんでそこまでして戦いにいくってんだ。
歌ってるあいだ、わらってるあいだ、走ってるあいだが人間か?
なあよお!
くそー!
12月17日(昼)
ついに職場で吐いた!
もちろん、トイレで。誰にもひみつで!
そろそろ咳でオエッてなるのが 徐々に激しさ増してたから、なるほどですね。
咳すること自体には慣れたもんで、
しんどいにはしんどいけど、やり過ごしさえすりゃいいということを覚えているから
あんまり苦しいとは思わないぐらいになったけど。
今日のこの、異様な胸わるさ。
みな戦いにゆくのか。
指名を果たしにゆかねばならんというのやろか?
でなければ、生きたと言えぬのやろうなあ。
ああ こんなに精神的にやられて吐き気がひどいのは久しぶりだ。
しかし後ろは向いてない。
前を向いたら あまりに無謀で無防備で
ちょっと怖いだけだろ。
頭うちぬかれて
ぼくはマル一日ぶんをぎゃく再生することんなった。
ああ。あれでよかったんだ!
きみの言う通り。
気が狂う前に、なんべん吐いたって
はちきれそうなったかって
戦いにゆかねばならん。
使命を、みつけにゆかねばならん。
おやすみ
おしまいの言葉としての おやすみ、に
私がおやすみ、とかえしたら
もう一度 おやすみ、って一言だけかえってくる。
それだけで
胸がつまるのは。
いつの間にかこんなにも
いっぱい になっていた ということは。
しらなんだ
目をとじても とても
ねむられなかった
疲れているのに ねむいのに
ぐるぐるまわる
けれど
かなしいとかじゃない。
こんな夜は ひさしぶりだった
あたまだめにして
生きたつもりで
いてました
生きてたことなんかなかったです
なんとなく最近感じていたことを
今日、はっきり知りました。
私は、生きたことなんかなかったです。
しんどい、辛いというのは
自分がそう感じるならば 誰と比べてもしんどいし辛いものなのだ、と
私は自分にも 他人にもそう信じているのですが
たわごとですね。
しんどい、辛いつもりでいてました。
何かを、守ろうと 守ろうとしてきたつもりでいてました。
他人がなんといおうが
自分にとってはそうなのですが
今、ぜんぶ、こわれかけてます
少し前にも感じたこと、
ここはどこの世界なのだろか。
私は
どこに来てしまったんだろか。
あたまだめにして
朽ちていくのは 皆順番だからねえ。
四分丈
1ツ、前向きに 考えるために
100の自我を殺さなければならないやつのことが
あなたにわかるのか?