29日 もく 記
ゆーれいさんは生きている。
あなたの生活のすみずみに。
部屋の机のしたに
道端のコンクリートのうえに
高架のしたに
過ぎゆく季節のなかに
あなたが死んでも
あなたのことを私は知っているよ。
全部とはとてもいえないけれど。
どれだけ長く一緒にいたって、
今あなたが何を考えているか、さっぱりわかりやしないもの。
でもね、私は沢山知っているのよ。
あなたがどんなふうに、
どれだけの人を愛していたかっていうことを。
それはあなたがくれた音楽からわかる。
あなたが心に留めてきた、うたからわかる。
だから、安心して、
自由に、ゆっくり生きるといいよ。