死なないから、生きている。
私には何にもないからな、
そう言って笑った
全てを晒すことは割り切ってるから平気なんだ。
ときどき虚しいのは
向いてないな、って、思うとき だけ
2011年4月23日 「マザー」
走る。
胸の中いッ、ぱいに広がったもやもやを 吹っ飛ばすために。
電車に乗った。
進行方向に向かって座席が並んでる形の車両で、
前の席に座ってる、知らないスーツの男の子(年齢はわからないがこう呼ぶ)の、窓際によっかかった後頭部が見える。
彼の、短い髪の毛からのぞく耳のかたち、頭のかたちを眺める。
髪の毛が今日の雨のためにか、うっすら濡れている。
この頭のなかに、いったい何が詰まっているのだろうか。
私と同じ、頭蓋に守られた脳みその中に、一体この人をこの人たらしめている、どんな、何が、詰まっているのだろうか。
私のそれと、何が違うのだろうか。どうして、違うと「感じる」のだろうか。
私は、また私に還っていく。
もちろん、ゼロから始めるのは不可能で、私は生きた、私は知った。
沢山のものを引きずりながら、ずるずる、もとの世界へ、帰る。
いつか子宮へかえる。
あなたが私を、私が私を、
愛したすがたに、還るんだ。