汚れたマフラーと、ボタンのとれたコートを床に放り出した。
ニットのワンピースを頭からすぽんと脱いだら
ついでに下に着ていたボーダーのタンクトップも脱げた。
えんじ色のタイツと、重ね履きの靴下をまとめて脱ぎ捨てる。
残った下着をぐちゃぐちゃっと取り外す。
染み付いた、たばこのにおい。
今日の自分を、自分たらしめていたもの、
それを全て落としたあとに、私は何のにおいだろか?
そんなふうに、ひとつずつ、何もかもなくしていっても、
ぼくはぼくなのやろか。
今日も平和で幸せです。
明日もこれが続く保証はないと思うので、
大事にかみしめときます。
何の前触れもなく
明日死んでしまうとしても
悲しむことはないよ。
覚えておいて。
あなた、しあわせだよ。
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