螺子 れってる

雨。ある人の名前を呼んだ。
彼は、これからどこへ向かうのだろう。
本当は、
変わってしまうすべてが、一番、不安でおそろしいのは、君なんじゃないのか。
そんなことを、ずっとずっと、考えていたよ。
 
君の思想の半分も理解できてない私は、それでも確かにその後を追っている。
今、もっともっと先にいるであろう君は、どんな場所にたどり着いているのか。
その景色は、いつか私にも見えるのか。いつか、追いつけるのか。
 
少しだけ、深呼吸。
吐き出したひと息のさいごのほうに、その名前を混ぜた。
 
それは、つよくって、うつくしい因子。
私に足りない、力も、苦しみも、全部引きずりながらもってってるような、赤いやみいろ。
でも、そのなかに欠けているものを、きっと私は持っている。
それだけが、ただ気がかりです。
 
しかし、それはそれでいいことだろう?
 
納得していくしかないんだ。
いいことを、いいって言っちゃってさ。