不吉な音がして私はふりむいた
とがったネジねじ
パンの先でつついた
ねー、心ってどこにあんの?
お母さんから手紙が届いた。
うちのお母さんは、本当に、世間知らずで、そだちきらなくて、
私よりずっと子供だったりする。
安全な場所で安心して、正しいってことを信じて
人間の生まれ持ってのきたなさや
自分の持つたいそうな矛盾
世間の理不尽の正しさ
手を離すことのやさしさ
目の前のものを愛する本能
ただ許すこと、許されること
それらをきっと知らないでいる、
美しさを知った
ただ私は泥にまみれて、ゆく。
選んだとか たいそうなことじゃない。
ただ、そうなの。
私が、そうなっていくだけなの。
カレーが食べたすぎて、急いで作る。
洗濯物と部屋を片付けながら
ほたるいかのなんだっけ黒いの
…食べる!
ああ日常!
ああ、愛されていること。
おかあさん。おかあさん。
わたしなぜ生まれたの?なぜ、愛するの?
なぜ私が必要なの?なぜあなたは生きるの?
どうして嬉しいの?なにが幸せなの?
本当のことってなに?行くべき場所はどこ?
お母さんが、うずくまって、泣いている。
いつかの記憶がよみがえる
人間は なんて残酷で、なんて大切なことを簡単に忘れてしまえるのだろう。
なんて大きな罪を、現状だけで、許せてしまえるのだろう。
本能とは 本当とは。
今日はここまで。
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