ほかの誰にもなりたくない。
ただ最高の自分でいたいだけなんだ。
でもそれじゃあ、生きられないことを知った。
たくさんの自分の声をあきらめて、今ここにいるけれど、
もうこれが誰の人生なのかわからないでいる。
お医者に行ったけれど、薬が全然効かない。咳がおさまらない。
部屋の鏡が割れたんで、トイレに立ったときに鏡にうつった自分の姿を久しぶりに見る。
死にかけとる。
でも、確かにそれは、私の顔なのだ。
私は自分の生まれたこの出で立ちを、とても自分で気に入っている。
自分にぴったりだな、と思う。
もちろん満足がいくほど一番美しい状態には とてもじゃないが辿りつけていない のだけれど。
かわいい人、美しい人なら捨てるほどいる。
でも自分は、自分しかおらんのやろう。
私は、自分の生まれたこの姿を気に入っている。
朽ちてゆくのはみんな順番だからねえ。
口癖のように繰り返す。
発作を繰り返す。
呼吸をゆるされないのだろうか。
そんなことも考える。
まだ、生きられるのか。
まだ、耐えられるのか。