フイのことば

朝、駅のホーム。
間違いなく積もっていくわだかまりに 殺されそうになりながら、
電話をくれた友達と、少しだけ話した。
 
いつも通り、何でもない話をするんだけど、不意に、
全然話題と関係ないタイミングで、
「あすみ、元気か?」
って、優しい声で言われて、 胸に がつんとくる。
涙で目が潤んで、前が見えなくなるけど、声色には出さないように、堪える。
 
うれしかった。
 
それでも、何も変えられなかったけれど。
 
別の友人はこの前日、私にこう言った。
「お前がそうしていることで、お前自身が傷ついてる、ってことに気づいてるか?
 俺らに言ってることが、何も実行できない自分に。」
 
それでも、
私は、最後の最後まで、何も変えられなかった。
ぎりぎりのところまで、もしかしたら、もしかしたら、って、思っていた。
続けたって、自分が傷つくばかりで、幸せになんてなれないこと、わかっていたのに、
やめられなかったよ。
 
でも、この日、この朝、
確かに、思えたんだ。
 
私は、愛されてる、って。
 
決定的なきっかけではなかったかもしれない。
でも、私のことを愛して、信じてくれている、すべての人の、
少しずつ、少しずつ関わってくれてきていた その力が、
間違いなく、私のなかに蓄積していたように、思う。
 
そして、この日、この朝、
確かに私の中の何かが、変わったんだと思う。
 
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