adore you avidly

…「どしたい?」と聞かれて「どうもしてほしくない」と答えられない空気に黙り込む私がいるとき、
君は「わかった」と言ってくれた。「わかんないけど」と付け加えた。

それは、なんん年まえのことば か。
書いて 使わないうち いつのまにか化石みたいなって
残ってたことば。

うかんだ言葉は とっといても仕方ないんね、と思う。
すてるか にてやいて食うーか。

いくか、ひくかしかない、か。

…座り込んで一心不乱になにかを書き留める男性、でかいダッフルコートとでかい帽子に顔うずめたおばちゃん、
扉に向かってブツブツ呟くサラリーマンに、イヤホンからでかい音漏れをさせながら体を揺らしスガシカオに聴き入る女。
そう私。

 
まだ三重県に住んでいたころ。大阪に暮すだなんて思ってもなかった頃。
バンドをやり始めるだなんて、想像してもみなかった頃。

わたしの言葉。日記のような、懺悔のような、モノマネの、独り言。
ずっとずっと、独り言。
ニセモノで、コピーで、
でも愛するものは、絶対自分でしか選ばない。

…見慣れた風景って、あんまりにアタリマエだから見てるうちになんかが欠けたらすぐわかるんだよね。なんか変、って。
だから自分がいないっていうのは、周囲にとって「なんか変」なんだよね。
完全に邪魔者に思われるなんてこと無いって、わかるんだよね。周りのひと信じれる位置に常にいんだよね。
わかるんだけど、
いないだけで風景ぜんぶが消えちゃうくらいの、致命的な装置でいたいんだよね。

たくさんの「きみ」と、
ひとりの、「わたし」

いつもひとりの、わたしだった。

いまはどうか?