赤いイヤーホンを買った

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雨の四条大宮。
ボロい、黒い色の折り畳み傘を差した、ボサボサの長髪のおっさんが一人、私の少し手前を歩いている。
私の彼の間に、犬が一匹、おっさんの後ろをついていっている。
 
もじゃもじゃした、毛むくじゃらの犬。
もともとは白っぽい色だったんだろうけど、雨と泥にまみれて汚れていた。口の周りなんかは真っ黒だった。
犬には首輪から繋がった紐が垂れているが、それは道にひきずられるままになっていて、紐を持つ人はいない。
でも、おっさんにぴったりくっついて、ずっと一緒に歩いていっていた。
 
個性的なふたりだな、と思った。なんだかとてもうらやましく、素敵だった。
 
おっさんは、身なりは汚かったけど背筋はシャンとしていて、堂々と歩くさまと、
たまにその道連れの犬を振り返って 手招きするようすが優しげで、
目はキラキラしていた。
 
素敵な人だなあ、と思った。
また会えたらいいな。

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