友達に会う。つよくて、かっこうよくて、だから優しい友達。
「はじまったなア」
彼はからかうように、言う。
胸が痛くてあんまり眠れなかった。
でも、嬉しくてたまらなかった。
ありがとう。
傷って、自分でつけているのにねえ。
気づかずにやり過ごされていく「自分」は、とても 惨めで可哀想だ。
だからあなたが言ってくれて、私は、取り残されていた「自分」に気付くことができたんだ。
大切なことに。自分の大切にすべきことに。
本当に、ありがとう。
私は自分のことばっかりで 君のために何をできるのかなとか すごく考えたんだけど。
君が前に言ってくれたことを、思い出しました。
「俺や誰かに少しでも恩を感じて、何か返したい、って思うなら、
物で返すとか、何か同じことをしろって言ってるわけじゃないが、
明日美がちゃんと一人で立つ、っていうのが、
いわゆる俺への恩返しになるんだよ。俺は、それが嬉しんだよ。
お前が何をしようが自由や。勝手や。それはお前の人生や。
でも、俺らに相談しながら、お前がやってることによって、
お前は、自分自身が傷ついてるってことに、気づいてるか?
俺らに言ってることが、何も実行できてない自分に」