手で梳かしてからめとる闇色

むさぼるように夜を食らう
いや、私は夜をしのいでいるだけだ。食うなんてとんでもない。少しでも吸い込めば、そこからむしろ食われてしまうくらいの弱さしかない。ただ染まりゆく。無抵抗は罪なりや?
私にかまわず、頭上を通りすぎてくれるのをただ震えて待つのみ。
ああ、それでも。
愛さずにいられない、自分におおよそ似つかわしくない、闇色に染まった、まったくべつの生き物たちを。
美しい。羨ましい。見ていたい。欲しい。食べたい。私もそれを、食べたいよ。

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