去れドンガク

されど鈍学。
 
20090521_008[kiku]
KIKU
 
「また連絡してもいいのかなあ?」って
君は甘えた情けない声で言う。
私が前に行きたがっていた、でもずっと君が無視していた 場所の話を、
「あそこもさ、行こうよ。休みの日に、遊びに行こうよ」って
君は優しい、切ないふうの声で言う。
 
ねえ、どうしていつも、男と女はこんなふうになってしまうの?
ねえ、どうしていつも、本当に欲しいものは手に入らないように出来ているの?
 
ぶつぶつ呟きながら気がおかしくなったふうの君を、
きっと私は誰よりも可笑しいと思い、誰よりも愛でたいと思っている。
 
頭を抱えてうずくまる君がいても、私には、助けてあげられないんだよ。
だって私は、君が一人で立つことなんてこれっぽっちも望んじゃいない。
君が泣きながら私にすがりついてきてくれたら一番いい。
最高に愛しい、だから最高に、憎らしい人。
私がいなくなって、もっともっと、惨めに悲しめばいいのにね。
苦しくて、認められなくて、情けなくて、どうしようもなくて、行き先なんてどこにもなくて。
もっと可哀想になればいいのに。もっと泣けばいいのに。
 
そうしたら、私が愛するのに。
 
そして、写し鏡である あなたにとっての私も、同じように扱われる運命しかないんだよ。
わかっているのかな?
わかっているかい?

“去れドンガク” への1件の返信

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